日本の食に欠かせない食材、鰹節。だしを取ったり、料理にかけたり、毎日のように口にしている食材ですが、実は種類があることをご存じでしょうか?上手な使い分けができると、鰹節のさらなるおいしさを発見できます。今回は、種類の違いからおすすめの使い方までをご紹介します。
荒節・本枯節の違いは?
鰹節は製造段階によって呼び名が変わります。大きく分けるとカビつけ前のものが「荒節」、カビつけ後のものが「枯節(本枯節)」です。違いや特徴を比べて、おいしい鰹節選びにお役立てください。
鰹節とは
鰹節とは、カツオの身を煮て、燻して乾燥したものです。カツオを切り分けた後、煮熟(しゃじゅく)、焙乾(ばいかん)、整形、カビつけ、天日干しなどたくさんの手間と時間をかけて、鰹節は完成します。鰹節を削ったものは「削り節」「花かつお」と呼ばれます。カビつけの有無で「荒節」と「枯節(本枯節)」の2つに大きく分かれ、味に違いがありますので、用途によって選ぶことがポイントです。
荒節の作り方と特徴
一般に削り節として流通している9割が「荒節」を削ったものです。カツオをさばき、煮て旨みを封じ込めます(煮熟)。次に煙で燻し(焙乾)、乾燥させます。寝かせてまた燻す作業を6~15回繰り返してできるのが「荒節」です。燻したままなので黒いタールで覆われています。これをそぎ落として削り節などに加工します。
荒節は、燻した香りと魚の風味が強く、だしは力強い味わいが特徴で、脂肪分が残るため色はやや濁った薄い琥珀色です。味の濃い料理や、力強い風味が欲しいときにおすすめです。
枯節(本枯節)の作り方と特徴
本枯節は「鰹節の最高級品」と称され、削る前の「節」のままでの流通が多いですが、小分けの削り節もあります。
「荒節」のタールや脂肪をそぎ落とした後、カビつけと乾燥を2回以上重ねてできるのが「枯節」、さらにカビつけと乾燥の回数を重ねると「本枯節」となります。手間と時間がかかりますが、発酵と熟成によって上品な香りとなります。だしはすっきりと雑味のない味わいが特徴で、色は澄んだ琥珀色です。だしをメインに味わう「つゆ」や、上品な料理へ添えるのに最適です。
枯節・本枯節の選び方
芳醇な香りの本枯節は、削り立てが格別です。ここでは「節」のおいしい選び方をご紹介しますので、この機会にぜひお試しください。
色
表面は、きめの細かい灰緑色のカビが薄く生えそろっている状態。肌の色は赤みのある色でつやがあるものがおすすめです。
香り
魚の臭みがとれ、上品な香りで角がたっていないものを選びます。
形
贈り物には「大きいもの」がおすすめです。日常使いで、頻繁に使うなら大きな「本節」、たまに使う程度なら小さな「亀節」が良いでしょう。「本節」とは大きなカツオの片身を背中側と腹側に分けた節のことで、背中側を「雄節」、腹側を「雌節」と呼びます。「亀節」は小さなカツオを片身にした節のことです。
荒節・枯節(本枯節)の保存方法
鰹節は乾燥やカビ付けによって品質が保たれているため、湿気は厳禁。「節」の保存方法をお伝えします。
開封前の保存方法
真空包装なら「常温で保存」。真空包装ではない場合は、開封後と同様に扱います。
開封後の保存方法
開封後はラップで包んで「冷蔵庫」へ。カビの発生や風味劣化を抑えます。
枯節の削り方
手順は4つです。
①乾いた布巾やペーパータオルで表面のカビを拭き取る
②削り器の刃を確認する
③鰹節の削る方向を確認する
④削る
実は鰹節には目があり、逆向きに削ると粉々になってしまうので要注意。節の頭側から削ります。刃は、削りながら好みの薄さに削れるよう調整します。
削った後の保存方法
節に湿気がついていないか確認し、ラップで包むか、チャックつきの袋に入れて冷蔵庫で保存します。包まずに冷蔵庫へ入れると乾燥して、次に削るときに粉になりやすくなってしまいますので注意しましょう。
枯節・本枯節を使ったレシピ
枯節・本枯節のおいしさがより引き立つレシピをご紹介します。
お茶漬け
あたたかいごはんに、本枯節のだしをかけ、削り節をふわっと乗せます。だしと削り節、ダブルの本枯節が贅沢な琥珀色のお茶漬けです。だしの味は塩で整え、醤油を少し加えると、香りが引き立ちます。
卵かけごはん
卵かけごはんには本枯節の削り節を贅沢に乗せて。たまごのまろやかさと本枯節の熟成された風味がマッチした、濃厚で風味豊かな極上卵かけごはんです。
サラダ
豆腐や大根などの和のサラダに相性抜群です。めんつゆ、ポン酢、油を混ぜあわせたシンプルなドレッシング、マヨネーズ、たっぷりの本枯節削り節の組み合わせがおすすめです。本枯節の旨みがサラダを包み込みます。
和風パスタ
茹で上げたパスタに、めんつゆ、塩、醤油、バターで味を整えたソースを絡めます。温泉卵とたっぷりの本枯節を乗せれば、「鰹節香る和風パスタ」の完成です。スライスした新たまねぎ、炒めたきのこを合わせるのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?荒節は力強い風味、本枯節は料亭のような上品な味わいが楽しめます。これを機に、選び方や使い方にこだわってみてはいかがでしょうか。
麺素株式会社では、天然の鰹節の旨みを抽出した出汁など、旨みだしにこだわっています。だしを使った商品づくりなら、ぜひお任せください。