かつお・こんぶ・いりこだしの使い方を知っていますか?今回はだしの歴史や栄養、だしを使うメリットを解説した上で、それぞれの特徴を紹介します。だしの組み合わせ方や料理との合わせ方も紹介するので参考にしてみてください。
だしとは?
みそ汁やうどん、煮物など日本食にはかかせないだしはどのような歴史があるのでしょうか。頻繁に使う分、だしの栄養やだしを使うメリットも気になるところです。ここでは、だしの歴史に加え、だしの栄養やメリットを紹介します。
だしの歴史
だしをとる時の「煮だす」という調理法が誕生したのは縄文時代です。魚や貝、肉などを柔らかく煮たときに出ただしを使って料理の味付けをしていたと言われています。
今ではだしの原料として代表的な昆布やかつおが食べられるようになったのは奈良時代で、朝廷への献上品とされていたという内容の文献があります。
室町時代の文献には「だし」という名前が登場し始め、江戸時代にはそばやうどんが広まり、だしの文化が全国的に発展していきました。
だしの栄養
だしに使用される素材は栄養価の高いものが多く、煮だしたときにだし汁へ流出する栄養素もあります。昆布だしには体内の水分を調整し、むくみを改善するカリウムや、代謝を促進するヨウ素などのミネラルが豊富です。
かつおだしやいりこだしにはビタミンB群が豊富で、特に血行促進や神経修復の作用があり、肩こりや貧血の予防に効果的なビタミンB12が多く含まれています。
また出汁をとったあとの素材も栄養素が豊富に含まれているので、捨てるのはもったいないです。醤油や砂糖などで甘辛く味付けすればごはんのお供にもなりますので、ぜひ活用してみてください。
だしを使うメリット
よく知られているように、だしに豊富に含まれているのが旨味成分です。料理に旨みを効かせることで少ない調味料でもおいしく仕上がり、満足感を高めることができます。味付けが簡単な上に減塩もできるので、だしは健康的な食生活には欠かせません。高血圧などの生活習慣病の予防のためにも積極的に摂り入れましょう。
だしの基本4種とは?それぞれの作り方と特徴を紹介!
野菜や魚介など様々なものから取れるだしですが、一般的によく使われるだしはどのような種類があるのでしょうか。ここでは基本の4種類とだしの組み合わせ方を紹介します。
かつおだし
かつおだしの取り方は沸騰させたお湯にかつおぶしを入れ、火を止めて1〜2分経ったらキッチンペーパーや布巾を敷いたザルで濾します。濾すときに絞るとえぐみが出てしまうので気を付けましょう。
かつおだしは旨味成分のイノシン酸を多く含み、豊かな風味と香りが特徴です。短時間で手軽にだしを取れるので家庭でも作りやすいでしょう。
混合だし
さば・いわし・あじをブレンドした混合だしは、混合削り節を使用してだしを取ります。沸騰したお湯に混合削り節を入れ、弱火で2分煮だしたらキッチンペーパー等を敷いたザルに濾します。
混合削り節は2種類以上の削り節をブレンドしたもので、1種類の素材から取っただしよりも旨みや風味が強くなるのが特徴です。さば・いわし・あじの混合削り節は甘みと深いコクのあるだしが取れます。
こんぶだし
こんぶだしをとる時は水に昆布を漬けてから煮だします。昆布の表面を固く絞った布巾で拭いてから水に30分程度漬け、その後火にかけて沸騰直前で昆布を取り出してください。昆布は煮すぎると臭みやえぐみが出てしまうので、沸騰させないように気を付けましょう。
昆布の旨味成分は「グルタミン酸」です。かつおだしに比べると香りは控えめですが、食材の味や風味を引き立てる役割をします。かつおぶしの旨味成分「イノシン酸」と合わせることでより旨みが強くなるため、一緒に使用されることも多いです。
いりこだし
いりこだしは煮干しで取っただしのことです。いりこと煮干しは地域によって呼び名が違うだけで同じものをさします。
イワシ類を原料にした煮干(いりこ)が一般的でカタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシなどの原料が知られています。
煮干しはそのまま使用するとえぐみが出やすいため、下処理をしてからだしを取ります。煮干しの頭と内臓を取り除いたら水に30分ほど漬けましょう。その後火にかけて、沸騰したらアクを取りながら5~7分程中火で煮だして濾します。
いりこだしの旨味はかつおだしと同じ「イノシン酸」です。煮干し由来の強い香りと味が出るのが特徴で、和食以外にもラーメンスープのだしとして使用しているお店も増えているようです。
それぞれの組み合わせ方は?
旨味成分は1種類で使用するよりも複数種類ブレンドして使用する方が「旨味の相乗効果」といって旨みが強くなります。一般的に多い組み合わせは、かつおだしと昆布だしの組み合わせです。
旨味の相乗効果は異なる種類の旨味成分を合わせることで発揮します。同じ「イノシン酸」のかつおだしといりこだしの組み合わせは効果が発揮されないため、「グルタミン酸」のこんぶだしと組み合わせるようにしましょう。
さば・いわし・あじをブレンドした混合だしは、さばといわしの「イノシン酸」とあじの「グルタミン酸」の組み合わせのため、混合だし単体でも強い旨みが出ます。
また、旨みの成分にはイノシン酸とグルタミン酸以外に、干ししいたけに多く含まれる「グアニル酸」があります。グアニル酸を組み合わせても相乗効果が出るので、上手に組み合わせてみてください。
料理に合わせてだしを使おう!
色々な種類のだしがありますが、料理に使うときにどのだしを使えばよいのでしょうか。ここでは、料理に合わせただしの選び方を紹介します。
お吸い物にはかつおだし
だしに醤油などでシンプルに味付けするお吸い物には、かつおだしを合わせるとよいでしょう。かつおだしは香りが豊かで、ほのかに酸味があり爽やかな味わいです。お吸い物に使用すれば香り高い上品な味わいに仕上がります。だしそのものを楽しむ料理には、かつおだしを選ぶのがおすすめです。
うどんやそばは混合だし
うどんやそばのつゆには混合だしがおすすめです。つゆを作る時はだしとかえしを合わせて作ります。非常に強い旨みと深いコクがある混合だしは、醤油・砂糖・本みりんで作るかえしと合わせても、だしの風味や味わいを感じられる仕上がりになります。混合だしは幅広い料理に使用しやすいですが、特に濃いめの味付けの料理に使用すると良いでしょう。
おでんや野菜料理にはこんぶだしとかつおだし
おでんや野菜料理など、素材の味わいを楽しむ料理にはこんぶだしとかつおだしの組み合わせが相性抜群です。雑味が少ないこんぶだしと香りと風味が豊かなかつおだしの組み合わせは、素材の味を引き立てながらも旨みの相乗効果で満足度の高い仕上がりになります。旨みが強い分、塩分は少なめにすると良いでしょう。
みそ汁や煮物には“お母さんのと同じ”だし
家庭によって味の違いが出るみそ汁や煮物にはお母さんが使用しているのと同じだしを使用してみてください。食べ慣れているだしを使用すれば、心が休まるようなそれぞれの家庭の味に仕上がるでしょう。家族にも喜ばれること間違いありません。
だしの保存方法は?
だしは常温では傷みやすいため、必ず冷蔵か冷凍で保存するようにしましょう。どちらの保存方法でもだしを取った後は充分に冷まし、だしを取った際の素材は取り出してください。
冷蔵の場合は清潔な密閉容器に入れて保存します。5日ほど保存可能ですが、風味が落ちやすいため2日程で食べ切るのがおすすめです。冷凍の場合は、ジッパー付きの冷凍保存袋に入れて保存します。冷凍の場合は1か月ほど保存可能ですが、解凍後は風味が落ちやすいので早めに食べ切ってください。冷凍するときに小分けにして保存するとよいでしょう。
だしの使い方を知ろう!
種類の多いだしですが、それぞれに特徴があり、組み合わせて使用することもできます。料理に合わせてだしも変えると、より満足のいく仕上がりになるでしょう。
麺素ではだしにこだわっためんつゆなど様々な商品を取り扱っております。飲食店様のご意向に合わせたオリジナルPB商品やOEM製造のご提案もできますので、お気軽にご相談ください。
それぞれのだしの特徴を知って、様々な料理に活用しましょう。