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テイクアウト専門の焼き鳥屋を開業する方法|コスト・準備・タレの差別化まで

テイクアウト焼き鳥屋 開業

目次

テイクアウト専門の焼き鳥屋を開業する前に知っておくべきこと

焼き鳥屋にも様々なスタイルがありますが、テイクアウト専門の焼き鳥屋が注目されています。テイクアウトが注目されている理由や成功のカギ、開業モデルを紹介しますので、参考にしてください。

なぜ今テイクアウト焼き鳥が注目されているのか?

コロナ禍以降、様々なテイクアウトが人気です。フードデリバリーサービスを利用したり、持ち帰って家で楽しんだりする人が増えています。家でゆっくりお酒を飲みながら味わったり、食事のおかずとして食べられると人気です。

立地選びと商圏分析が成功のカギ

テイクアウトの焼き鳥屋を開業するには、立地選びも大事です。交通量が多く、人通りが多い場所、駅前や幹線道路沿い、住宅街の入口など気軽に立ち寄れる場所が立地としておすすめです。

また、ターゲットが多い商圏を分析することが成功のカギと言えます。ファミリー層やビジネスマンをターゲットにしたり、競合店なども考えたりして選ぶことがポイントです。

さらに、立地選びでは時間帯ごとの人の流れを把握することも重要です。
昼はランチ需要、夕方は帰宅時の持ち帰り需要など、ターゲット層がどの時間帯に多いかを観察しましょう。

また、商圏内の競合の価格帯・メニュー構成・客層も調査し、自店が差別化できるポイントを明確にすることが成功への近道です。テイクアウト専門の強みを活かして、駐車スペースの有無や動線の分かりやすさも重視しましょう。
こうした商圏分析と立地戦略を徹底することで、開業後の集客力に大きな差が生まれます。

小さく始めてリスクを抑える開業モデル

テイクアウトの焼き鳥店ならば、主に焼くスペースを確保すればいいので、狭い店舗でも開業できリスクを抑えることが可能です。

例えば、自宅を改造して行うのも一つの方法で、小さく始めて顧客を増やしていくといいでしょう。

また、テイクアウト専門の焼き鳥店は、固定費を抑えて柔軟に運営できる点も大きなメリットです。
少人数で運営できるため人件費も少なく、初期投資を抑えて開業できます。
たとえば、キッチンカーや屋台形式で始めることで、立地を試しながら売上データを分析できるのも利点です。
さらに、営業エリアを変えながら顧客のニーズを把握でき、将来的に常設店舗へ拡大するステップとしても有効です。リスクを最小限に抑えながら、段階的にビジネスを育てるモデルとしておすすめです。

テイクアウトの焼き鳥屋を開業するために必要な準備とは?

テイクアウトの焼き鳥屋を開業する流れについても紹介します。必要な準備についても参考にしてみませんか。

開業までの流れとスケジュール管理

開業までの流れとしては、次のようになります。遅くても約6ヶ月前から準備をしていくと良いでしょう。スケジュールを明確にしておくことで、余裕を持った準備ができ、オープン後のトラブルを防ぐことにもつながります。

6ヶ月前までに行う準備

まずは開業に必要な自己資金を貯めることから始めます。足りない部分は、融資や補助金、助成金などの活用を検討しましょう。日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や自治体の創業支援制度を調べておくと効果的です。

この時期に事業計画書の作成も進めておきましょう。開業のコンセプトや想定売上、仕入れ先、ターゲット層を明確にし、採算性を見極めます。

事業計画が固まったら、物件探しを開始し、候補地を複数比較しながら選定します。

開業資金の見通しが付いたら、事業計画を立て、予算に応じて物件を取得します。

6ヶ月前までにやっておきたい準備のポイント

自己資金の準備

  • 貯蓄計画を立て、必要金額の目安を明確化
  • 足りない分は融資の検討(日本政策金融公庫など)
  • 自治体の補助金・助成金をリストアップして申請スケジュールを確認

事業計画書の作成

  • お店のコンセプトを固める(専門店・高級路線・ファミリー向け など)
  • 想定客数、売上、原価率、人件費を含めた収支計画を作成
  • 使用する食材や調味料、仕入れ先の候補を調べる
  • 競合調査を行い、差別化ポイントを整理

物件探しと立地の比較

  • テイクアウト店に適した立地(駅前・住宅街・オフィス街)を検討
  • 通行量、駐車スペース、周囲の競合店を確認
  • 必要な厨房設備が設置できる構造かチェック
  • 候補地を複数リストアップし、賃料・契約条件を比較

開業資金の見通しづくり

  • 内装費、設備費、初期仕入れ、販促費、家賃などを含めた総額を計算
  • 融資が必要な場合は、この段階で金融機関へ相談
  • 資金計画に沿って、取得可能な物件を絞り込む

4ヶ月前までに行う準備

物件が決まったら、店舗の内装・設備工事を進めます。テイクアウト専門店の場合、客席スペースを最小限に抑え、調理効率を重視した設計がポイントです。。動線が悪いと提供時間が延びてしまうため、作業台・焼き台・レジの配置を考慮したレイアウトがポイントとなります。

また、冷蔵庫・焼き台・排気設備など、必要な厨房機器をリストアップし、業務用中古機器やリースの活用も検討するとコストを抑えられます。開業資金を抑えたい場合は、厨房機器専門の中古市場やメーカーリースを比較しておくと安心です。
さらに、保健所への事前相談もこの時期に行っておきましょう。営業許可に必要な設備条件、シンクの数、手洗い場の設置基準、排水設備などを確認しておくことで、後から工事のやり直しが発生せずスムーズに開業準備を進められます。

4ヶ月前までにやるべき準備

内装工事・レイアウト設計の開始

  • テイクアウト店に適した“省スペース設計”を意識する
  • 調理動線(串打ち→焼き→盛り付け→会計)がスムーズか確認
  • 看板・外観のデザインや照明も検討し、視認性を高める

必要な厨房設備をリストアップ

  • 焼き鳥専用の焼き台(ガス or 電気)
  • 業務用冷蔵庫・冷凍庫
  • 排気・換気設備(焼き鳥店は煙量が多いため強めの排気が必須)
  • シンク(保健所基準で2〜3槽必要な場合あり)
  • 作業台、フードパック保管棚、POSレジ etc.
  • 中古機器・リースの比較検討でコスト調整

保健所への事前相談

  • 営業許可に必要な設備条件をチェック
  • 「厨房区画の仕切り」「手洗い場の位置」「床材の防水性」などを確認
  • 図面や設備リストを持参するとスムーズ
  • 相談内容をもとに内装業者と最終調整を行う

工事スケジュールの確定

  • 内装工事の日程と、厨房機器搬入の日程を調整
  • 工事の遅延を見越し、予備期間(1〜2週間)を確保
  • 引き渡し後すぐに試運転・準備ができるよう計画する

2ヶ月前までに行う準備

食品衛生責任者の資格を取得し、保健所への営業許可申請を行いましょう。資格講習は各自治体で1日受講すれば取得できるため、早めの予約をおすすめします。

また、メニュー開発やレシピの最終調整もこの時期に行います。味の統一を図るために、業務用調味料や焼き鳥のタレをOEM製造で安定供給できる体制を整えると、開業後の負担を軽減できます。

1ヶ月前までに行う準備

オープンまでの最終調整期間です。スタッフの採用とトレーニングを実施し、接客・調理オペレーションを確認しましょう。また、SNSやチラシなどでプレオープン情報を発信し、認知度を高めます。

仕入れ先やタレの納品スケジュールなども確認し、開業初日からスムーズに営業できるよう最終チェックを行います。
特にタレや調味料の在庫管理は、業務用OEM製造の安定供給を活用することでリスクを軽減できます。

必要な資格と保健所への届出について

焼き鳥屋を開業するためには、まず「食品衛生責任者」の資格が必要です。これは飲食店営業を行うために必ず1名は配置する必要がある資格で、各自治体が開催する1日講習を受講することで取得できます。また、営業開始前には保健所へ「飲食店営業許可申請」を行い、厨房設備や衛生環境についての検査を受け、合格して初めて営業が可能になります。

焼き鳥店は、生肉を扱うため特に衛生管理が重要視される分野です。手洗い設備や冷蔵庫の容量、まな板の区分け、食材の保管温度など、開業前のチェックポイントが多い点も特徴です。以下に、開業に必要な資格と保健所手続きの内容を詳しくまとめました。

焼き鳥屋開業に必要な資格

必要な資格内容取得方法費用の目安
食品衛生責任者店舗ごとに必ず1名の配置が義務各都道府県が実施する1日講習を受講約1〜1.5万円
※調理師免許任意(なくても開業可)国家資格不要(あれば食品衛生責任者講習免除の場合あり)

保健所で必要な手続き

【1】事前相談

開業予定の保健所に事前相談をすることで、必要な設備・レイアウトの指導を受けられます。
「後から設備が基準を満たさず作り直し…」というトラブルを防ぐためにも必須です。

【2】営業許可申請

営業開始の10〜14日前までに申請します。

  • 提出書類(例)
    • 営業許可申請書
    • 店舗の平面図
    • 水質検査成績書(貯水槽・井戸水を使用する場合)
    • 食品衛生責任者の資格証の写し
    • 申請手数料:1.5万〜2万円程度

【3】施設確認(現場検査)

保健所職員が店舗を訪問し、衛生基準に合っているかチェックします。

主なチェック項目(焼き鳥店は特にここを見る)

  • 手洗い場の位置・数
  • シンクが2槽以上あるか
  • 生肉用とその他用でまな板・包丁・トングを区別しているか
  • 換気設備が適切か(煙が充満しやすいため重要)
  • 冷蔵庫で生肉・加熱済み食材の区分けができるか
  • ネズミや害虫対策が施されているか

【4】営業許可取得

検査に合格すると許可証が発行され、ここで正式に営業が可能になります。

焼き台や保温機など必須設備と初期費用の目安

10坪程度のテイクアウト専門店を開業する場合、開業資金の相場は100万~500万円程度と言われています。また、店舗取得費がそれ以上に高く掛かる場合もあります。

そのうち、必須設備として、焼き台、排煙設備、手洗い用シンク、冷蔵庫、保温機などに90万円以上必要です。また、テイクアウト用のパックや割り箸などの備品も準備しておく必要があります。

他にも、3ヶ月分の運転資金300万円以上を準備することがおすすめです。

10坪前後の小規模店舗であっても、物件取得費や設備費、内装工事費など多くの項目に費用が発生します。ここでは、開業資金の内訳とその目安を具体的に紹介しますので、資金計画を立てる参考にしてください。

焼き鳥テイクアウト専門店(約10坪)の開業資金内訳(目安)

項目内容例費用目安(円)
店舗物件取得費保証金・礼金・前家賃など(地域による)300,000〜1,000,000
内装工事費カウンター設置、壁・床仕上げ、照明工事など300,000〜1,500,000
厨房設備費焼き台・保温機・冷蔵庫・作業台など500,000〜1,200,000
換気・排煙設備費ダクト・ファン・フード取り付けなど200,000〜800,000
電気・ガス・水道工事費配線・配管・メーター設置など100,000〜500,000
看板・外装工事費店舗前の視認性強化のためのサイン・装飾など100,000〜500,000
食器・備品費包装容器・トング・バット・調理器具など50,000〜200,000
POSレジ・システム費タブレットPOS、レジ、キャッシュドロアなど100,000〜300,000
初期仕入れ費鶏肉・タレ・串・調味料など100,000〜300,000
予備費トラブル・追加工事など不測の事態に備えて100,000〜300,000

また、開業時の初期費用だけでなく、営業を安定させるためには運転資金の確保も重要です。特に開業から数ヶ月は集客や売上が安定しない場合もあるため、3か月分程度の運転資金を準備しておくと安心です。

焼き鳥テイクアウト専門店|3か月分の運転資金内訳(目安)

項目内容例月額目安(円)3か月合計(円)
家賃・場所代テナント賃料(立地により異なる)100,000300,000
材料仕入れ費鶏肉、タレ、串、調味料、炭、包装資材など120,000360,000
水道光熱費ガス・電気・水道などのインフラ費用30,00090,000
宣伝広告費チラシ・SNS広告・店舗周辺販促など20,00060,000
消耗品・備品費割り箸・ナプキン・洗剤など10,00030,000
通信・POS関連費Wi-Fi、POSレジシステム利用料など5,00015,000
雑費・その他予備費・小口支出・トラブル対応など15,00045,000

テイクアウト焼き鳥屋で成功するための運営ポイント

テイクアウトの焼き鳥屋で成功するためには、ポイントがあります。次のようなことを考えておくことがポイントです。テイクアウトの場合には、注目を集めてリピーターを増やすことが大きなポイントとなります。

パッケージ・見た目・メニュー名の工夫で売上を伸ばす

他と差別化する必要があるため、パッケージや見た目、メニュー名のインパクトなどが大事です。ターゲットに合わせて工夫するようにしてください。ファミリー層や独身層、若者などによっても、パッケージやメニューなどを工夫して提供するといいでしょう。

売れる味を作るには?オリジナルのタレが勝負を分ける

また、焼き鳥はタレの味が大事です。オリジナルのタレが成功のポイントにもなります。オリジナルのタレ、例えばピリ辛のタレなど、いろいろなタレを作ってみるのがおすすめです。

テイクアウト専門の焼き鳥屋 開業準備チェックリスト

資格・手続き関連

  •  食品衛生責任者の資格を取得
  •  保健所へ事前相談(テイクアウト専門であることを伝える)
  •  飲食店営業許可の申請
  •  平面図・設備図の作成および提出書類の準備
  •  現場検査のスケジュール調整
  •  営業許可証の受領

店舗の衛生・設備チェック

  •  2槽シンク以上の設置(生食材と加熱後で洗い分けが必要)
  •  手洗い設備の設置(客席不要でも必須)
  •  生肉と加熱済み商品の保管庫(冷蔵庫・保温機)の区分け
  •  まな板・包丁・トングの色分けや用途分けの徹底
  •  換気設備の強化(煙が外に出にくい構造はトラブルになりやすい)
  •  焼き台周辺の耐熱・防火対策
  •  ゴミ保管スペースの確保(匂いの管理が重要)
  •  店外に行列が出る場合の動線確保(クレーム予防)

調理・仕込み体制

  •  仕込みスペースを確保(串打ち作業台など)
  •  焼き台の種類を選定(ガス・炭火・電気)
  •  焼き置きか注文後調理かを決める(回転率に影響)
  •  保温設備の選定(スチーム式・保温庫・ヒートランプ)
  •  原材料の仕入れ先契約(鶏肉・タレ・容器など)
  •  HACCPに基づく衛生マニュアルの簡易版作成

販売・オペレーション

  •  提供方法を決める(本数売り/パック売りなど)
  •  メニュー構成の決定(売れ筋3〜5品を中心に)
  •  焼き時間・受け渡し時間を可視化(混雑時の不満防止)
  •  キャッシュレス決済導入(回転率アップに必須)
  •  包装容器・紙袋の選定(ロゴ入りはブランド力向上)
  •  ピーク時間帯の人員配置ルールを作成
  •  事前注文・電話予約の導入可否を決める

集客・マーケティング

  •  Googleマップ(MEO)対策の準備
  •  商品写真の撮影(テイクアウト業態では必須)
  •  近隣住民向けのチラシやオープン告知作成
  •  SNSの開設(Instagram・X中心)
  •  リピート用のスタンプカードやLINE公式アカウント運用
  •  混雑時のオペレーション告知(ピークは予約推奨等)

法令・リスク対策

  •  火器使用のため消防署に要確認(火気設備の届出)
  •  匂いや煙のクレーム対策(ダクト位置の確認)
  •  食品表示ルールの確認(消費期限・アレルギー表示)
  •  近隣とのトラブル防止策(行列・駐輪・騒音対策)
  •  保険加入(生産物賠償責任保険など)

味の差で勝負するならタレのOEM製造が断然おすすめ

焼き鳥のタレで、味の差で勝負する場合には、OEM製造(受託製造)を依頼する方法もおすすめです。専門的にオリジナルのタレを作ってもらうことができます。

焼き鳥に合うたれをプロが監修、品質も安定

OEM製造では、焼き鳥に合うたれをプロが監修し、開発します。原材料から厳選し、品質も安定するのがメリットです。また、こだわりのたれを効率的に開発できるのでおすすめです。

小ロット製造だから初めてでも安心

OEM製造では小ロット製造も可能です。小ロットならば、開業当初も少量から安心して仕入れられておすすめです。安定してたれが仕入れられていいでしょう。

まとめ

テイクアウトの焼き鳥屋の開業について紹介しました。テイクアウトの場合には、開業資金が少し安くなっておすすめです。

ただし、テイクアウトの焼き鳥屋を成功させるためには差別化も大事です。タレにもこだわって、リピーターを増やしていくことがポイントです。OEM製造なども活用してオリジナルのタレを作り、テイクアウトで人気の店を目指してみるのもおすすめの方法と言えます。