• コラム
  • だしが決め手!うどん屋開業前に知っておきたい準備・資格・設備の全知識

だしが決め手!うどん屋開業前に知っておきたい準備・資格・設備の全知識

目次

うどん屋開業に必要なことと成功のためのだしについて

うどん屋開業前に知っておきたい心構えと準備

うどん屋を開業するためには心構えと準備を知っておくことも大事です。うどん屋で成功するために大事なこととは何かを参考にしてみませんか。

地域に合った店舗コンセプトを明確に

うどん屋を開業する際には、地域に合った店舗コンセプトを持つことがとても大切です。うどん屋は地域に根ざした店づくりが重要視されます。地域性やターゲットに合わせて、どんなうどん屋にするのかをまずしっかり考えることが大事と言えます。

例えば、次のようなうどん屋の店舗コンセプトが考えられますので、いろいろと検討してみるといいでしょう。

  • ビジネスマンなどを対象にした低価格で回転率の高いうどん屋
  • 高品質で専門店としてのこだわりのあるうどん屋
  • サイドメニューを充実させた幅広い客層を持つうどん屋

また、店舗コンセプトを考える際には、営業時間帯や来店頻度も意識することが重要です。
ランチ需要が中心なのか、夜も集客したいのかによって、提供スピードやメニュー構成、価格帯は大きく変わります。

さらに、競合店との差別化として「だしへのこだわり」「製麺方法」「セルフ式・フルサービス式」などの運営スタイルも検討するとよいでしょう。地域のニーズに合った明確なコンセプトを持つことで、長く愛されるうどん屋づくりにつながります。

飲食業は長期戦、継続できるビジョンを持つ

また、飲食業は長期戦と言われています。長く続けていける店にすることが大事です。流行だけに流されず、地域のニーズに合ったビジョンを持つことが必要です。

リピーターを増やし、新しいメニューなども開発し、人気を継続していく必要があります。地域のうどん屋としての人気を定着させることも大事です。

また、長期的に経営を続けるためには、売上の波や原材料費の高騰、人手不足といった課題にも柔軟に対応できる体制づくりが欠かせません。

開業当初から「数年後にどういう店になっていたいか」を考え、無理のない価格設定や原価管理を行うことが重要です。さらに、季節限定メニューや地域食材を活かした商品開発を行うことで、常連客に新鮮さを提供できます。
だしやかえしなど味の軸をぶらさず、時代や地域の変化に合わせて進化できるうどん屋こそが、長く愛される存在になると言えるでしょう。

こだわりと効率性のバランスを意識

うどん屋の開業にあたっては、他店と差別化するためのこだわりも重要です。他と味やサービスで異なるいい点を作る必要があるでしょう。

また、こだわりだけでなく、効率化も図って提供スピードも上げ、回転率も大事にしなければなりません。店舗内での作業動線を大事にし、早く美味しいうどんを提供する必要があります。仕入れも、業務用仕入れなどを活用して効率化を図ることがおすすめです。

うどん屋を開業するまでの流れと必要な資格・設備

うどん屋開業までの流れと必要な資格・設備についても紹介しますので、参考にしてください。

開業までのステップとスケジュール

開業までのステップとしては次のようになります。

  • 店舗コンセプトを考える
  • 資金を調達する
  • 物件探しをする
  • 必要な資格・許可の取得をする
  • 店舗設備の準備を行う
  • メニュー開発をする
  • スタッフの採用・教育をする
  • 広告・プロモーションをする
  • オープンを迎える

開業までのスケジュールは次を参考にしてください。

  • 6ヶ月前まで  

開業資金を考える際には、うどん店ならではの初期費用も具体的に試算しておきましょう。
麺茹で機・製麺機・冷蔵庫・ゆで釜・出汁用の大型鍋など、専門設備が多いため、厨房設備だけで200〜300万円ほどかかるケースもあります。 また、店内の客席レイアウトや券売機の導入を検討する場合は、内装費や導線づくりにも予算を確保する必要があります。

さらに、開業時は食材の仕入れ費、人件費、光熱費などのランニングコストも先に見積もっておくことで、資金不足のリスクを減らせます。特にうどん店は出汁にこだわる店舗が多く、原価率の試算が甘いと利益が出にくくなるため注意が必要です。

資金計画が固まったら、金融機関への融資相談や、日本政策金融公庫・商工会議所の制度融資の活用も視野に入れましょう。融資を受ける際は、
・事業コンセプト
・ターゲット客層
・想定売上と収支計画
・必要設備とその理由
などを明確にした事業計画書が重要になります。

物件選びでは、想定する提供スタイルに合った広さ・設備・立地を確認します。特にうどん店の場合、昼の需要が安定しやすいため、オフィス街や住宅街、学校周辺など人通りのある立地は強みになります。物件取得後の設備工事や保健所の申請にスムーズに移れるよう、この時期に全体スケジュールも整理しておくと安心です。

  • 4ヶ月前まで

物件が決まったら、店内のレイアウト設計や厨房設備の選定を進めます。うどん店は麺茹で機や出汁を仕込む大鍋、製麺機など熱源を多く使用するため、排気設備・給水設備・電気容量の確認は必須です。必要に応じて内装工事の見積もりを複数社から取り、予算に合った業者を選びましょう。

同時に、メニューの最終構成も固めます。主力メニュー(かけうどん、ぶっかけ、天ぷらうどんなど)に加え、サイドメニューやトッピングを設定し、原価計算と売価設定をこの段階で明確にしておくと、利益率のブレを防げます。

さらに、主要な仕入れ先(麺、出汁用材料、天ぷら油、惣菜、調味料など)と契約を進めておくと、開店直前に慌てずに済みます。特に出汁の品質は店の味を決めるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

  • 2ヶ月前まで

工事が進んできたら、厨房設備や券売機、POSレジなどの機器を搬入し、実際の動線を確認します。スタッフを募集して面接を行い、採用が決まったら基本的なオペレーションマニュアルの作成にも着手しましょう。特にうどん店は「素早い提供」が重要なため、麺の茹で時間や出汁の盛り付け手順を明確にすることで、開店後の混乱を防げます。

この時期は試作を重ね、味の最終調整を行う大切な期間です。実際に1日の想定回転数で調理してみて、提供スピード・原価・仕込み量のバランスを調整することがポイントです。

また、保健所への事前相談にも必ず行き、必要な設備・手続き・提出書類を確認しておきましょう。食品衛生責任者の資格をまだ取得していない場合は、この時期までに受講を済ませておくことが望ましいです。

  • 1ヶ月前まで

開店1ヶ月前は、仕込み動作・提供動作の確認を行う「プレ営業」の準備をする時期です。スタッフ研修を行い、実際の注文を想定したロールプレイングを行うことで、提供時間の安定化を図れます。また、制服や備品などの細かな準備も仕上げていきましょう。

販促面では、SNSアカウント開設、Googleビジネスプロフィールの設定、チラシやポスターの制作などを進め、地域の認知度を高めておきます。オープン直後の集客はとても重要なため、プレオープン試食会やオープニングキャンペーンの企画も効果的です。

最終的には、保健所の営業許可申請を行い、検査日の調整も済ませておきます。検査が通れば営業許可証が交付され、いよいよ開店準備が最終段階に入ります。

うどん屋に必要な資格と届出とは?

必要な資格としては、調理師免許は必ずしも必要ではありません。ただし、免許があればより経験やスキルを活かすことができます。(食品衛生責任者になるための講習が免除されます)

食品衛生責任者の資格や飲食店営業許可の届け出が必須です。

防火管理者 (従業員30人以上または広さ300平米以上の場合)も対象の店舗では必要です。

これらの資格や届出を開業までに準備してください。

製麺機やゆで釜、調味料保存設備なども要検討

うどん屋の開業では、製麺機やゆで釜、調味料の保存設備などが必要です。どこまでこだわった店にするのかを決めておいてください。

手打ち・釜茹で・だし等の調味料など、そのお店のこだわりに応じて必要な設備を検討してください。

うどんにはだしが命!成功のカギは味の差別化

特にうどん屋開業では、麺だけでなく、だしにもこだわって差別化をすることがおすすめです。うどん屋の成功のカギは、だしの味の差別化と言ってもいいでしょう。

だしが味の評価を左右する

それぞれのうどん屋でだしに特徴を出しています。だしがうどん屋の味の評価を大きく左右します。

地域やターゲットによって、だしの素材、製法、味の方向性などを決めることが大切です。

安定した味を出すなら業務用かえし・だしの活用を

こだわりの美味しいだしを安定して出すには、業務用のかえし・だしを活用する方法もおすすめです。

日によって味が異なったり、店によって味が異なったりしないように業務用かえし・だしを利用して安定させる方法もいい方法です。

だしを活かした差別化メニューで固定客獲得

また、だしを活用した差別化メニューを作ることもおすすめです。美味しいこだわりのだしを活用して、天ぷらや親子丼などの丼物、だし巻き卵などでメニューの幅を広げてみませんか。

「〇〇だしの肉うどん」「〇〇だしのカレーうどん」「季節の天ぷらと〇〇だしのつけうどん」「〇〇だしの親子丼」「だし巻き卵とおにぎりのセット」など、うどん屋ならではのだしの効いたメニューを展開して差別化を図ってみるといいでしょう。

まとめ

うどん屋の開業について必要なことを紹介しました。うどん屋はだしが命とも言われています。だしにこだわることで、成功すると言えるでしょう。業務用かえし・だしを活用して、こだわりの味を開発し、安定した味を提供する方法もおすすめの方法です。こだわりのだしを使った差別化メニュー作りもおすすめですので積極的に活用してみませんか。